2018/07/15 改訂版 「『あなたの悩み、分かるわ』詐欺に気を付けろ」「周りの人をカウンセラーにしない」「人生なんて相談しても仕方がないことが多い」

批評における傾向と対策について・一億総評論家時代の幸福術『バレエワンダーランド(1994年)』より

愛なき評論はアーティストを殺す。誰もが気軽に作品の意見や感想を述べられる時代だからこそ、いっそう深く静かに作品と向かい合う姿勢が大切というコラムです。プロの舞台批評に大事なポイントが述べられています。

悪女 VS キャリアウーマン 事件の印象が証言を左右する 松本清張の『疑惑』

一台の車が埠頭から海に突っ込み、鬼塚球磨子は救助されるが、車内に取り残された夫の白河福太郎は死亡する。前科四犯の毒婦の先入観から、球磨子の犯行という前提の元に裁判が進むが、彼女の弁護を引き受けた佐原律子の鋭い推理により、思いがけない事実が明らかになる。桃井かおりと岩下志麻、二大女優が火花を散らす野村芳太郎監督の傑作。

音楽と子供の想像力が出会う時 サン=サーンス『動物の謝肉祭』(レナード・バーンスタイン)

私が初めて自主的にクラシック音楽のレコードを買ったのは七歳の時。ピアノの先生宅でサン=サーンス『動物の謝肉祭』を聴いたのがきっかけでした。 何の情報も先入観もなく、初めて耳にした『動物の謝肉祭』は、それはそれはカラフルな印象でした。 それまでショパンやベートーヴェンのピアノ曲ばかり聴いていたので、余 […]

メロウな気分を優しく癒やす 初心者におすすめクラシックの名曲 13選

心が傷ついた時。 ひどく落ち込んだ時。 お気に入りのジャズやバラッドが心を癒やしてくれることもありますが、たまにはクラシックの名曲も聴いてみて下さい。 クラシックって、意識高い系の音楽ではないです。 モーツァルトも、リストも、ショパンも、今風に言えば、小田和正か、YOSHIKIみたいなものですよ(← […]

第一編 第二節 長男を厄介払い カネ、カネ、カネの父子関係

父親に厄介払いされた長男ドミートリィは幼少時からたらい回しにされ、金で周囲の歓心を買う、無節操な人間に育っていく。自分の父親が金持ちの小地主と知った途端、実際以上の資産を受け継げるものと勘違いし、金勘定に長けた父親が自分を騙そうとしていると逆上したところから悲劇が始まる。

第六編-1 人間の孤立の時代と偉大な思想を絶やさぬ試み

なぜなら今世紀においては万人が個別に分裂して、だれもが自分の穴に閉じこもろうとし、だれもが他人から遠ざかって、自分の身も、自分の所有物も他から隠そうとし、あげくは自分が他の人々に背を向けられ、逆に自分も他の人々に背を向ける結果になっているからです。ゾシマ長老の説教は、ドストエフスキーから全人類に向けた遺言でもある。

『詩を作るより、田を作れ』 文芸の価値と詩を役立てる心について

詩を作るより、田を作れ 「詩を作るより、田を作れ」という思想は、根本的には政治主義に根ざしたものである。それは「役に立つ」ということを第一義に考えた処世訓であって「詩なんかなくても生きることはできるが、田がなければ生きることはできない。だから、どうせやるなら自他ともに役立つところの、田を作る方に打ち […]

閑談1『カラマーゾフの兄弟』執筆の背景

これは私の所感だけど、『カラマーゾフの兄弟』を読む時は、「流れのある大河ドラマ」として捉えるよりも、「連続した短編」と見た方が分かりやすい。 大元のプロットは存在するが、信心のうすい婦人の打ち明け話が入ったり、ゾシマ長老の思い出語りが入ったり、その都度、流れが中断するからだ。 『流れ』を追おうとすれ […]

第4節 三男アリョーシャ 鷹揚さと生きやすさ 聖痴愚に関する注釈

生まれた時から放置され、従僕に預けられたり、四度も住まいを変えたり、子供らしい幸福な思い出が皆無な長男ドミートリィ、大事に養育されるが他家の世話になっている引け目から気むずかしい性格になる次男イワンと異なり、アリョーシャだけは優しい生母の記憶を宿らせ、周りから愛されて真っ直ぐに育つ。 作中にも、「自 […]

第一章 第三節 イワンと無神論 自己卑下と高い知性が結びつく時

第一章 第三節 再婚と腹ちがいの子供たち 先妻のアデライーダが亡くなると、フョードルは薄幸の若い女性ソフィヤ・イワーノヴナと再婚する。 身寄りのないソフィヤは、ヴィロホフ将軍の有名な老未亡人の裕福な家庭で成長するが、十六歳の時、老夫人の苛めを苦に自殺を図る。 そうした弱みにつけ込み、フョードルは彼女 […]

第5編 ProとContra 第三節 兄弟相識る

料亭『みやこ』での語らいはこちらを参照のこと。 江川卓 イワン&アリョーシャと楽しむ『カラマーゾフのロシアンティー(さくらんぼのジャム)』 アリョーシャは、金銭問題と兄弟らの恋愛関係についてカチェリーナと話し合った後、ドミートリィに会うつもりで料亭『みやこ』に出掛けるが、そこには先にイワンが居て、兄 […]

第5編 ProとContra 注釈

第五編のProとContra(原卓也訳では『プロとコントラ』)について ラテン語で「賛成と反対」「肯定と否定」などの意味をもつ。この変はドストエフスキー自身が長編の頂点をなす編と呼んでおり、またドストエフスキーの創作方法の本質がこの言葉に含まれているとする見方も多い。祠宇濾布スキーにはこの言葉のロシ […]

第五編 第三節-2 イワン・生への渇望

いったいこの世界に、ぼくの内部のこの狂おしいばかりの、おそらくはあさましいまでの生への渇望をたたきつぶせるほどの絶望があるものだろうかってね、そして、どうやらそんな絶望はないらしいと結論を出してしまったんだ。といっても、やはりこれも三十歳までの話で、それを過ぎたらもうそんな意欲も起きなくなるだろうが […]

151
Top