理想と現実――あるいは自分との闘い 安藤忠雄『連戦連敗』より

理想主義とはかけ離れた、非常にドロドロとした現実的な闘いですが、建築とは本来、社会を相手にしなければならない、きわめて泥臭い部分を内包する仕事です。画家や彫刻家といった芸術家と違い、一人で仕事を完遂し得ないのです。そして、常に、クライアントと施工者という他者を介してしか実現し得ない仕事でもある。さまざまなしがらみの中での闘いなのです。

それでも、蛍は光を灯しつづける

蛍の光で書物を読むのは、蛍ではなく人間である。 蛍は自分の光で、自分を照らすことなどできないし、その光で自らの道を照らすこともできないであろう。 それでも、蛍は光を灯しつづける。 さかさま博物誌 青蛾館 さかさまシリーズ (角川文庫) これは自身のことだろう、とつくづく。 世の中には、「役に立つ言葉」や「救いの言葉」があふれている。 でも、それを書いている本人には何の救いもなく、恵みもない。 ただ […]

人生はあなたの神様に出会う旅

人生は あなたの神様に出会う旅 目を閉ざして 耳を澄ませば 遠く 空の彼方から あなたを見守る あたたかな眼差しに気付くはず 神様は あなたが来るのを待っている あなたが道を歩ききり あなただけの答えをもって 天国への階段を  ゆっくり 静かに 昇ってくるのを その時 神様は あなたの肩を優しく抱き 「よくがんばったね」 と褒めてくれるだろう 誰よりも深い愛の言葉で あなたを慰めてくれるだろう そ […]

子孫は火星に行くだろう アリゾナ砂漠編

『砂漠』というと、♪ 月の沙漠を~ はるばると~ アラブの隊商とラクダを連想しがちだが、アリゾナで「desert(砂漠)」といえば、「不毛の地」「荒野」。 文字通り、草一本ない、生のままの大地を指す。 なぜ雑草すら存在しないのかといえば、とにかく乾燥しきって、猛暑だから。 連日、摂氏40度以上、ほとんど雨も降らず、日差しの強さは焼け付くばかり。 木もなく、水もなく、茫漠たる荒れ地が広がっている。 […]

寺山修司の名言とモルゲッソヨ

平昌五輪で大人気の『モルゲッソヨ』のアスキーアートがあまりに素晴らしいので、寺山修司の名句と掛け合わせてみました。 モルゲッソヨは立ち会いを許された覗き魔である。 寺山修司の仮面画報より 正しくは、「観客は立ち会いを許された覗き魔である」。 どんな鳥だって モルゲッソヨより高く飛ぶことは できないだろう 『ロング・グッドバイ』より 正しくは、「どんな鳥だって 想像力より高く飛ぶことは できないだろ […]

地殻の割れ目と生の哲学 ~グランドキャニオン編

グランドキャニオンは私のバケットリストの一つで、今回、ようやく訪問が叶いました。 凄い所だろうとは想像していたけども、実物は想像以上。ファインダーには収められない美しさでした。 こういう深い峡谷を見ていると、地球というものが人間には計り知れない長いスパンで動き、呼吸し、刻一刻と姿を変えていることを実感します。一見、不動に見えるものも、さらに高い視点に立てば一瞬の変化でしかないし、我々、人類も、宇宙 […]

お金だけで人の心は動かせない ~NASA ケネディ・スペースセンター編

NASA ケネディ・スペースセンターは私の聖地の一つです。 宇宙に興味をもったきっかけは、子供の頃、田舎で見た満点の星空。都会っ子の私には、頭上いっぱいに星が瞬き、今にも星に手が届きそうなほどの夜空が恐ろしいほどでした。同時に、その美しさに見せられ、子供向けの宇宙図鑑や星座の早見表、その続きでギリシャ神話、西洋占星術など貪り読んだものです。 また、当時は素晴らしい宇宙科学の番組がたくさんありました […]

Clair de Lune 恋の詩

Clair de Lune 私の密かな吐息 世界で誰も知り得ぬ想いを 月が代わりに語ってくれる 夜 私たちは怯えながら 身を寄せ合い 言葉にならぬ言葉を交わした この恋は 誰も知らない 知られてはならない 秘密が心を燃やし 沈黙が愛をいっそう貴くする ひりひりと風が吹きすさぶ中 夜闇だけが優しかった 二人の恋を守ってくれた 見上げれば月が輝く 甘い苦しみにも悦び満ちて Clair de Lune […]

  • 2018.02.02

自転車

軽やかに 走ろう 空気入れたての 自転車みたいに 音も聞こえる 景色も見える 道も走れる 草木も摘める 世界をありのままに 感じることができるのだから 窓辺に頬杖ついて 幸せがやって来るのを ただ待っているなんて もうたくさん 外に出よう 花を摘もう 両の腕を思い切り伸ばして 風を感じよう 空気入れたての 自転車みたいに 時々 弾けながら 軽やかに世界を駆ける 陽がすっかり暮れるまで 初稿:200 […]

  • 2018.02.02

エディット・ピアフに捧ぐ ~小さな雀

天国への階段は 悲しみと苦しみでできていると あなたは言った 幸せなんて 小さな踊場に過ぎないと 歌は 時に涙のように あなたの胸から零れ落ちる 葉の上の滴が その重みに耐えきれずに 滴り落ちるように だけど そんな哀しい響きさえ あなたが歌えば 一篇の詩になる 曇った涙の滴が 澄んだ水晶の玉になるように あなたは あらゆる影を 光に変えてしまう あの街角で あの辻で 人は耳を傾けずにいない 同じ […]

詩心とは世界と人を愛する気持ち 寺山修司 少女詩集

つきよのうみに いちまいの てがみをながして やりました / つきのひかりに てらされて てがみはあおく なるでしょう / ひとがさかなと よぶものは みんなだれかの てがみです 海は、それを見る人の心の鏡であり、それ自体が何かを物語るわけではない。だから、海をどう表現するかを見れば、その人の心が分かる。海が美しいのではなく、海を想う人の心が美しいのである。

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