昨今、一番難しいのは、「何を書くか」ではなく、「どこに書くか」である。
と言うと、「書く場所なら、いっぱいあるじゃない。Twitter、Facebook、はてなブログ、Tumbler、最近は、note.muもあるじゃない!」という声が聞こえてきそうだが、これだけフリーで書く場所があるから、かえって「どこに書くか」で悩むことになるのだ。
何故なら、それぞれに特徴があり、アクセスする層も導線も異なる。
一つ一つに合わせて、あれもこれも手掛けていたら、一日24時間、一年365日あっても足りないだろう。
ただでさえ少ないリソースを分散するのは、かえって効率が悪いし、集中力も落ちる。
どこか一つに落ち着くとしたら、WordPressが最適なのだが、個人サイトもだんだん審査が厳しくなって、数行のテキストなどは気楽に書けなくなった。
特に意味のない短文、抽象的な詩のようなものは、軒並み、Google先生に「低品質」とみなされ、評価下落の一因になるからだ。
松尾芭蕉の名句「古池や かわず飛び込む 池の音」も、Googleのアルゴリズムにかかれば、ただのスパムコメントである。
たとえ天才的な歌人のオフィシャルサイトでも、解読不能な短文が列記された、低品質なサイトでしかないだろう。
そんな風に、ネットの世界は、だんだん「明解」かつ「役に立つもの」――それも瞬時に答えが得られるものばかりが重宝され、「古池や かわず飛び込む 池の音」みたいに、情景を味わう世界は、だんだん隅に追いやられつつある。侘び寂び、あるいは禅的な、精神の世界だ。
以前は書くのも楽しかったが、今ではすっかりGoogle先生の支配下。
いつからネットや個人サイトは「最初にアルゴリズムありき」になったのか。
ちょっとした雑感を綴るのに、いちいちGoogle先生の顔色を窺うのも馬鹿らしく、こちらに避難した次第。
こちらはSEO施策など一切かまわず、好きなことを綴っていこうと思う。
今のネットは
本音を言えば、叩かれる。
面倒な世界になった。
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