詩想と哲学

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芸術、科学、社会、人生など、様々なテーマで綴るアンソロジー。

人は決意した瞬間が一番美しい ニーチェの『新たなる海へ』と『シルス・マーリア』

かなたへ――われは向かわんと欲する 今より頼るは この我と わがうで(伎倆)のみ 海原は眼前にひらけ その蒼茫の涯へと わがジェノアの船は乗り出す 大きな試練は大きな苦痛を伴うかもしれないが、それは選ばれた人間だけが背負うことのできる天命と思う。

人生は私を失望させはしなかった ニーチェ『悦ばしき知識』より

「人生は私を失望させはしなかった! それどころか、私には、歳を重ねるにつれて人生は一そう豊かな、一そう好ましい、いよいよ神秘に充ちたものに感じられる」人生の究極の目的は、幸せになったり、成功したり、『目に見えて優れる』ということではなく、自分が何の為に生き、何ゆえにこの人生があるのか、実感できることだと思う。

僕の居場所 ~僕は淋しい野良猫~

僕は淋しい野良猫で、帰る場所を探している。 いつでも、どこからでも、帰って行ける場所だ。 夕べ、犬に言われたよ。 「犬はどこででも眠ることができる。自由を愛しているからさ」 だけど帰る場所のない自由なんて、ただ浮いてるだけだ。 もし君が死んだら、君には泣いてくれる人がいるの? 次の日、交差点で、車に […]

真珠と努力とライフワーク

真珠の核にあるのは、棘だか砂だかの小さな異物。 痛い、苦しいと泣きながら、じっと抱えているうちに、 綺麗な珠になりました――。 愛でも、閃きでも、何ものにも顧みられることなく、 じっと胸に抱き続けることは苦しいものだ。 ダイヤの原石か、ただの石ころか分からぬものを、 ひたすら自分の中で磨き続けること […]

恋とバラの詩 ~プレヴェール、ジョン・キーツetc

五月の唄   ジャック・プレヴェール ロバと王様とわたし あしたはみんな死ぬ   ロバは飢えて 王様は退屈で わたしは恋で 白墨の指が 毎日の石盤に みんなの名を書く ポプラ並木の風が みんなを名づける ロバ 王様 人間と 太陽は黒いぼろきれ みんなの名前はもう消えた 牧場の冷たい水 砂時計の砂 バ […]

我が輩も猫である 名前は付けない【猫日記 1】

『我が輩は猫である。名前はまだない』の精神に則り、私も飼い猫に名前は付けてない。 日本文学を愛する者は、蜘蛛を殺したり、トンネルを抜けて鹿児島に行ったり、「あたくし? デュボワ」なんて真似してはいけないのだ(出典:三島由紀夫『女神 (新潮文庫)』)。 ゆえに、私だけは「ニャーコ」と呼んでいる。男の子 […]

外の世界に憧れる猫と閉ざされた窓 【猫日記 2】

猫には、外に憧れる気持ちはあるけれど、自分でドアを開ける力はない。 誰かが開けてやらないと、いつまでも家の中に閉じ込められたまま。 どれほど外に出たくても、ドアの前でにゃーにゃー鳴くだけ、夢を叶えるには、大人の手が必要なのだ。 近頃はドアや出窓の近くでウロウロするだけで外に出たいのだと分かるようにな […]

耐えるべき時を耐え 米長邦雄棋聖の言葉

米長邦雄棋聖のNHK人間講座『大局を観る』を読んだ。 実は言うと、この本を手に取るまで、米長邦雄の名前はもちろん将棋のこともろくに知らず、興味もなかったのだが、「大局を観る」という言葉に引かれて買った。 本書には、米長棋聖が将棋の世界に入るまでの過程や将棋の歴史、伝統、将棋界の今後の展望などが分かり […]

アーサー王伝説『シャロットの女』恋と孤独を恐れた処女姫

呪いをかけられ、高い塔に閉じ込められた乙女にとって、外界と繋ぐ唯一のものは鏡だった。ある日、その鏡に騎士ランスロットが写り、その麗しさに魅了された乙女は思わず外界を目にして「呪いが私にふりかかった」と叫ぶ。運命を覚った乙女は一隻の船に乗り込み、最後の歌をくちずさみながら、やがて息絶えてしまう……。

心の平和を得るために

人間の孤独や苦悩の本質について考えたとき、私が真っ先に思い浮かべるのは、『エゴ』だ。 誰だって、自分が可愛い。 できれば、自分だけは傷つきたくないと思う。 そうして、いつしか心が自身の事でいっぱいになった時、私たちは利己的な欲望の塊になる。 自分を満たすことしか考えなくなる。 「つらい」「淋しい」「 […]

言い訳の中に人生を埋もれさせてゆく

幸せを求める気持ちは皆同じ──特別な人など何処にもいやしない。 心にいろんな誤魔化しを強いながら、私たちは事実から目を背け、代替品ばかりを求め歩く。 「気付き」こそ真実に至る第一歩であるにもかかわらず、言い訳の中に人生を埋もれさせてゆく。 なぜ私たちはそれほどまでに自分自身に対して──真の希求に対し […]

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