2018/06/05 改訂版 「親を捨てよ 家を出よう」「大学には行った方がいいの?」「好きなことをして生きるは正解か」を追記

Novella

第一章 第三節 イワンと無神論 自己卑下と高い知性が結びつく時

第一章 第三節 再婚と腹ちがいの子供たち 先妻のアデライーダが亡くなると、フョードルは薄幸の若い女性ソフィヤ・イワーノヴナと再婚する。 身寄りのないソフィヤは、ヴィロホフ将軍の有名な老未亡人の裕福な家庭で成長するが、十六歳の時、老夫人の苛めを苦に自殺を図る。 そうした弱みにつけ込み、フョードルは彼女 […]

第5編 ProとContra 第三節 兄弟相識る

料亭『みやこ』での語らいはこちらを参照のこと。 江川卓 イワン&アリョーシャと楽しむ『カラマーゾフのロシアンティー(さくらんぼのジャム)』 アリョーシャは、金銭問題と兄弟らの恋愛関係についてカチェリーナと話し合った後、ドミートリィに会うつもりで料亭『みやこ』に出掛けるが、そこには先にイワンが居て、兄 […]

第五編 第三節-2 イワン・生への渇望

いったいこの世界に、ぼくの内部のこの狂おしいばかりの、おそらくはあさましいまでの生への渇望をたたきつぶせるほどの絶望があるものだろうかってね、そして、どうやらそんな絶望はないらしいと結論を出してしまったんだ。といっても、やはりこれも三十歳までの話で、それを過ぎたらもうそんな意欲も起きなくなるだろうが […]

第五編 第三節-3 論理以前に愛するんです。絶対に論理以前に。

ぼくはね、アリョーシャ、ヨーロッパへ行きたいんだ、ここからまっすぐ行くつもりさ。 そりゃぼくは、自分の行き先が墓場にすぎないことは百も承知さ、しかしこれは何よりも、何よりも貴重な墓場なんだ。そこには貴重な人たちが眠っていて、その上に置かれている破壊しはどれも、過ぎし日々、熱烈に生きた人生を語っている […]

第五編 第三節-4 カインとアベルのたとえ話

アリョーシャは、父とドミートリィの確執を憂い、イワンが早々と去ってしまうことに強い不安を感じている。 それ以前に、ゾシマ長老から不吉な予兆について聞かされたのも、心に大きな影を落としていた。 「兄さんはほんとうにそんなに急に出発するんですか?」 「うん」 「じゃ、ドミートリィとお父さんはどうなるんで […]

第五編 第四節-2 慈愛あればこその無神 子供の涙はいつ報われるのか?

ある意味、イワンの神への不信は、政治や司法に何の期待もできなかった時代の虚無感であり、だからこそ、イワンのような当時のロシアの若者(あるいは知的階級)が、宗教ではなく、政治に変革を求めた動機も頷ける。祈っても無駄、政治体制や法律を変えない限り、こうした不幸はなくならないと。その極端な形が社会主義革命だったのだろう。

第五編 第4節-1 人間は近づきすぎると愛せない

『ぼくはこの神の世界を認めないんだ』というイワン。長兄のドミートリィに『墓石(無口)』と呼ばれ、一見、心の冷たそうなイワンだが、アリョーシャに対しては兄弟らしい情を示し、聞き上手なアリョーシャを相手に、素直に自身の考えや葛藤を語る。 「ぼくは身近な人間をどうして愛することができるのか、どうやってもわ […]

第五章 第五節ー1 真理は人間を自由にするはずだった → 自惚れから悪魔の側へ

殺した者と殺された者が互いに抱き合い、『主よ、汝は正し、汝の道の開けたればなり』と言うことができるのか。 現実的な視点から教えの矛盾を説き、「神の国への入場券を慎んでお返しする」というイワンとアリョーシャの対話は、叙情詩『大審問官』でクライマックスを迎える。 江川氏の注釈によると、大審問官とは「中世 […]

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