Scrivener 3(Windows版)より日本語メニューが実装されますが、旧ヴァージョンのScrivener 1.0系でも翻訳ファイルを遣って日本語メニューを実装することができます。詳しくは日本語化メニューのガイドをご参照下さい。(3.0系に合わせて翻訳ファイルも更新しています)
購入も視野に入れた試用であれば、現行の1.0系をおすすめします。30日間の無料お試しが可能です。
新規購入者には3.0系の無料アップデート権が付いています。
製品紹介とダウンロードは公式サイトからどうぞ。

Scrivenerについて
Scrivenerは、海外で非常に評価の高い、高機能アウトラインプロセッサ&エディタ&コルクボードです。
https://www.literatureandlatte.com/
WORDや一太郎にない機能は次の通りです。(これ以外にもいろいろあります)
・ 文字装飾、ハイライト、リンク挿入、画像挿入など、高機能なリッチテキスト・エディタを備えている。
・ パートごとに、脚注、コメント、参照、キーワードなどを設定することができる
・ 手軽にメモがとれて、エディタに流し込める、スクラッチパッドが付いている
・ 作業画面のレイアウトやアイコン、フォルダなどを自由にカスタマイズできる
こんな方に向いています。
・ パートごとに、資料、メモ、脚注、シンプシス、スクリーンショットなど、資料を効率よく管理したい。
・ 文書の俯瞰性を高めたい
・ プロットの構築を学びたい
デメリットは次の通りです。
・ 日本語環境では正常に動作しない機能も多い(辞書、ネームジェネレーター、文字カウント、紙やPDF以外の出力など)
・ フォルダやテキストノートが増えてくると、一覧性も低下して、ストレスが溜まってくる(一太郎のシート機能の方が分かりやすい)
・ 日本語のヘルプやサポートは無い(英語で自己解決できる人向き)
ライティングツールの使い分けについては、こちらの投稿をご参照下さい。
Scrivenerは、あくまで、アウトラインプロセッサの位置づけで、下書きと仕上げは、秀丸エディタや一太郎をおすすめします。
一太郎、秀丸、Scrivener、Evernote、Rightnoteのメリットとデメリット
以下、無料体験版のインストールから基本操作まで、解説しています。
なお、Windows版3.0系にアップデートしても、これらの基本的な操作やインターフェイスは変わりません。
[outline]
インストールと新規作成
無料体験版のインストール
公式サイトにアクセスして、DOWNLOAD FREE TRIALから試用版をダウンロードします。
30日間、全ての機能を無料で試すことができます。
30日間を過ぎて、購入しない場合は、通常の手順でアンインストールすればOK。
http://www.literatureandlatte.com/
ダウンロードしたら、Scrivener-installer.exeをクリックして、「Next」で、どんどんインストールを進めていきます。
インストールが完了して、アプリを立ち上げると、次のようなメッセージが出るので、「Continue Trial」で、試用版を選択します。
新規プロジェクトの作成
アプリを立ち上げると、「新規プロジェクト」の作成ダイアログが出ます。
英語のサンプルは必要ないという方は、Blankから初めて下さい。
Save as ・・「名前を付けて保存」
Where・・「保存場所」 Browse・・「保存場所の参照」
Createで作成します。
文書の編集を始める
まず最初にアプリ全体のUIを設定します。メニューのフォントスタイルや色、フォントサイズを設定することができます。
Tools → 設定(Options)→ Appearance を選択。
最初は適当にMeiryo UIでも入れておきましょう。その後、インターフェイスに慣れてきたら、細かくカスタマイズします。
次に『エディタ』を選択。
非常に分かりにくいですが、赤枠で囲んだ「A」が、フォント設定のメニューです。
「A」をクリックすると、フォント設定のダイアログが表示されるので、好きなフォントを適当に選んで下さい。
私のおすすめは教科書体です。
次に、「1.0X」で、行間を調整します。(Uの隣)
「More」をクリックすると、Line Spaceの設定画面が現れるので、『At』に、1.1でも、1.2でも、好きな値を入力します。
必要なら、Indentation(インデント)、Spacing(スペース)も調整して下さい。
Editor Optionはデフォルトの状態でチェックが入っていますが、初心者にはほとんど必要のないものばかりです。
ちなみに、Use block insertion point は、カーソルのことです。
ブロックみたいに太いカーソルが好きな人は、チェックを入れて、横幅を調整のこと。(アルファベット圏は、i や l と見間違える人が多い)
次に、「Default Zoom」のパーセンテージを調整します。
Scrivenerには、各エディタにフォントの大きさを調整する機能が付いており。そのデフォルト値を指定します。
(フォントサイズの絶対値ではなく、あくまで見た目です)
次に、スペルチェック機能をオフにします。
Corrections を選択して、Check spelling as you type のチェックを外します。日本語には不要です。
とりあえず、これだけ設定したら、テキスト入力を開始することができます。
あとは必要に応じて、「Backup」や「全般」を設定して下さい。
基本の作業用レイアウトを調整する
Scrivenerでは、最大3画面、縦分割、横分割が可能です。
詳しくは、Scrivenerをプロット構築と資料整理に使う方法を参照して下さい。
エディタ(1画面)
基本のシンプルなエディタ画面。
コルクボード(1画面)
アウトライナー(1画面)
画面を縦分割する
画面を分割する場合は、右端の「Vertical Split」か「Holizontal Split」のアイコンをクリックします。
1画面に戻す時は、「No Split」アイコンが自動的に表示されます。
コルクボードとエディタ
アウトライナーとコルクボード
Inspect + 3画面
各パートのInspect(情報ウィンドウ)を追加して、最大3画面まで拡張できます。
レイアウトの保存
お気に入りのレイアウトを保存することができます。
Window → Layouts → Layouts Managerで保存します。
編集画面を固定Lockする
それぞれの画面(パネル)を固定して、じっくり編集したい場合は、
View → Layout → Lock in Place
パネルが固定されると、タイトルの背景が赤色になります。うっかり「前のドキュメントに進む」をクリックしたり、操作を間違えても画面が移動しません。
コルクボードの設定
Tool → Option → Corkboard で、カードの操作とデザインを設定。
Appearance で、コルクボードやバインダーなどの色合いとフォントを設定。
コルクボードの配置、カードの大きさは画面右下角の■アイコンをクリックして、ダイアログで設定。
ラベルとステータスを付ける
各パートについて、「アイデア」「下書き」「完成稿」などラベルを付けておくと便利です。
ラベルを付けたいエディタもしくはコルクボードの画面で右クリックし、LabelとStatusを設定します。
デフォルトの名称や色を変えたい場合は、文字の上でダブルクリックすると編集可能になります。
テーブルの挿入
テーブルを挿入したい場合は、Format → Table を選択。
Table Propertiesで列や行の下図、罫線の太さ、色などを調整します。
イメージの挿入
画像を挿入したい場所で右クリックし、Insert Image で画像を選びます。
画像の大きさを編集したい時は、画像の上で右クリックし、Edit Image... からサイズを調整します。
色彩やエフェクトなどは変えられません。
テキストにハイライトカラーを付ける
ハイライトを付けたいテキストを選択し、右クリックで色を選びます。
カスタマイズ色の登録はできないみたいです。
最後に使った色がツールバーに登録されるので、次も同じカスタマイズ色を使いたい場合は、ハイライトツールを利用しましょう。
スクラッチパッドでアイデアを書き留める
編集中に、文脈とは関係無いことを思いついたり、何かの参考をクリップしたい場合はScratch Padが便利です。
Tool → Scratch Pad で呼び出します。
保存場所は General → Scratch Pad Location で指定。
ファイルとフォルダのアイコンを変える
フォルダやファイルの種類が分かりやすくなるよう、アイコンを変更します。
変更したい項目の上で右クリックして、Change Iconを選択。
メニューの最下部、Edit Iconから好きなアイコンを追加することができます。
基本、.icoファイルなら何でもいい感じ(その他の種類は試してないので不明ですが)。
サイズも自動的に圧縮してくれます。
コメント・脚注の挿入
編集中の文章にコメントや脚注を挿入することができます。
コメントを入れたい部分を選択して、Format → Comment で挿入します。
脚注も同じ要領で、Format → Footnote で挿入。
Informationパネルに表示する項目は、画面右、Comments & Footnotes の上のアイコン(6種類)で切り替えます。
高DPIの対応
Windows版1.0系は、デフォルトの状態では、高DPIのPCに対応していません。
Windows10の場合、次の場所から実行ファイルを探します。
C:Program Files (x86)Scrivener
実行ファイル(Scrivener アプリケーション)の上で、右クリックして、プロパティを開きます。
プロパティの『互換性』から、『高DPI設定の変更』をクリックします。
高DPIスケール設定の上書きで、「高いDPIスケールの動作を上書きします。拡大縮小の実行元」で『アプリケーション』を選択します。
その後、Scrivenerを再起動します。(設定を変えただけでは即時に反映されません)
その他のTipsはこちらもご参照下さい。内容はほとんど重複しています。
Scrivenerをインストールしたら最初に設定すること