自身のサーバーに解析プログラムを設置し、SQLデータベースを使って、解析データを収集します。
- Googleサービスにアクセスしないので、サイト負荷が少ない(高速化に有利)
- Googleに匹敵する解析能力を有し、個々の訪問者のページ推移まで確実に把握できる(欲しいデータが取れる)
- 外部リンクのクリックや要素のダウンロードなど、イベントトラッキングが簡単(面倒なコード埋め込みは不要)
- 訪問者のデータはサイトオーナーが管理するので第三者に漏れることがない(情報守秘)
なお、Matomo解析のポイントは記事の後半に紹介しています。
目次からジャンプして下さい。
公式プラグイン VS 手動インストール
Matomoの導入方法は二種類あります。
- 公式プラグインを使う
- 手動で解析プログラムを設置する
公式プラグインを使う
WordPressから配布されている、Matomo公式プラグインを使えば、有効化 → 基本設定だけで、すぐに使い始めることができます。

設定画面は英語ですが、複雑な設定は必要ありません。
最初に、Get Startedにアクセスし、接続ボタンをクリックしたら、自動的にmatomoの解析プログラムと連携して、アクセス解析が始まります。
一番最初のスクショを取り損ねたのですが、接続ボタンはハイライト表示されますので、とにかくクリックすればOK。
データベース情報などは必要ありません。
ちなみに、解析結果は、Reporting から確認することができます。
トラッキングコードの取得。
Default tracking
トラッキングコードが自動挿入されます。 Header もしくは Footer を選択します。
任意の場所に手入力する場合は、Enter manually を選択します。
トラッキングする項目を選択します。
RSSや404ページ、検索ページも選べます。
WordPressを共同管理している場合は、役割に応じて、データ閲覧や設定変更を許可するか否かを選択することができます。
単独管理なら、NoneでOK。
Exclusions(除外)では、WordPress管理者のアクセスをカウントに含めるか否かを選択できます。
Traking filterは「カウントしたくない役割」です。
単独の場合は、全てチェックを入れておけば確実。
IP除外も有効です。
解析データがどんどん蓄積されるので、放っておくと、データベース全体の容量が増大します。
通常、データベースのバックアップは、データベース全体を保存することになるので、バックアップファイルの増大を招く恐れがあります。
筆者の見解では、面倒でも、手動でmatomoを設置し、WordPressとは別に、解析用のデータベースを作成することをおすすめします。
あっという間に数十MBを超えますので・・
手動でmatomoを設置する
FTPでアップロードしている間は無効化する必要はありません。
解析プログラムのダウンロード
Matomo公式サイトより、free版をダウンロードします。
ダウンロードページはこちらです。

なお、Matomo On-Premise(for free) と Matomo for WordPress の二種類がありますが、手動インストールは、On-Premise の方です。
圧縮ファイルをダウンロードしたら、適当な場所で解凍します。
解析用プログラムはフォルダの中に入っています。
FTPでサーバーにアップロードする
ファイルの設置場所は、public_html直下です。
ディレクトリの名前は何でも構いません。(下図の場合、testの位置になる)
念の為、matomoは避けた方がいいと思います。
ファイルの数は、大小あわせて 8700以上あります。
一つでもミスしたら、接続エラーが生じて、先に進めなくなります。
無料FTP『FileZilla』のような高機能ツールを使って、全てのファイルを確実にアップロードして下さい。
アップロードとデータベース設定の手順は、下記のサイトでも詳しく紹介されています(私より上手)
併せてご参照下さい。

ファイルのアップロードが完了したら、念のため、robots.txt でボットを遮断しましょう。
Disallow: /インストールしたディレクトリ名/
データベース設定
アップロードが完了したら、ディレクトリに直接アクセスします。
例
https://novella.one/ディレクトリ名/
データベースを設定する
初回のアクセスのウェルカムメッセージ。
『次へ』をクリックして、進みます。
データベース情報を入力します。
ご利用中のレンタルサーバーのデータベースを確認して下さい。
データベースサーバー ・・ サーバーのアドレス(123.12.456.56のような4桁のアドレス、または)
ログイン ・・ データベースのユーザー名
パスワード ・・ データベースのパスワード
データベース名 ・・ 解析用データベースの名前
テーブルプレフィックスはご自身で決めて下さい。
アダプタは、PDO/MYSQLのままで。
データベース接続に成功したら、次に進みます。
多くの場合、ファイル関係のエラーメッセージが出ると思うので、メッセージに従って、該当ファイルの削除や、再アップロードをして、画面をリロードします。
正しく対処できれば、エラーメッセージも消えます。
エラーメッセージの中には、ユーザーレベルで修正できないものもあります。
こちらはレンタルサーバーの仕様なので、このあたりは無視して先に進みます。(致命的なエラーではないので)
ユーザーを設定する
ユーザーを設定します。
任意の名前、パスワード、メールアドレスを登録して、次に進みます。
解析サイトを設定する
解析対象のウェブサイトを設定します。
解析タグの設置
サイト設定が完了したら、解析タグが発行されます。
手動で、</head>に貼り付けてもいいですが、トラッキングの内容を細かに設定するなら、プラグイン『WP-Matomo (WP-Piwik)』を利用しましょう。
いったん、WordPressの管理画面に戻って、下記のプラグインをインストールして、有効化します。

WP-Matomo (WP-Piwik)の設定
設定画面にアクセスすると、WordPressの連携を求められるので、Matomoを設置したパスと、Auth Token(トークン)を入力します。
トークンは、Matomoの管理画面で取得します。
右上方の、歯車の『設定』をクリックして、設定画面を開きます。
サイドバーの『個人用』→『設定』に、API認証トークンがあります。
ランダムな英数字が表示されているので、クリックすると、全文が表示されます。
Google Analytics にないメリット
Matomoアクセス解析の大きな特徴は、Google Analyticsには現れない、個々のビジターの動きを細かに追跡できる点です。
Googleでもページビューや滞在時間の計測は可能ですが、個々のビジターが、どこから、どのようにページを閲覧して、何分滞在したかは把握できません。
また、アフィリエイトリンクやシェアボタンのクリック、画像やPDFのダウンロードの状況も、数値としてはカウントされますが、誰が、どのページを閲覧して、どこから外部リンクをクリックしたか、細かな動きも分かりません。
その点、Matomoは、トラッキングコードを有効化するだけで(一部、プラグイン設定)、各ビジターの動きを細かく追跡することができます。
読み物系サイトのように、プレビューや訪問者数の総数よりは、「シリーズ記事を全て読んでくれた」「作品詳細のページから無料PDFをダウンロードしてくれた」「一人あたりの滞在時間やプレビュー数が多い」のように、内訳の方が大事であれば、Matomoの方がはるかに参考になるはずです。
個々のビジットログを見れば、下図のように、どこからアクセスして、どのページを、どれくらい見ていったか、滞在時間も、一目で分かります。
Amazonの商品リンクがクリックされたのも一目瞭然です。
画像ダウンロードも追跡ができます。
恐らくボットと思いますが、一ページを繰り返しリロードする異常なアクセスも把握できます。
Matomoのアクセス解析画面
Matomoのアクセス解析画面は下図の通りです。
Google Analyticsと似たような感じで、特に複雑な操作は必要ありません。
グラフに表示したいデータは、個別にカスタマイズすることができます。
『集客』では、検索エンジン経由、ソーシャル経由など、訪問者がどこから来たかを表示。
『行動』では、ページビュー、入り口&出口ページ、サイト内での検索、ダウンロード、外部リンクへのジャンプなどが把握できます。
『ビジター』では、訪問者の使用しているデバイスやブラウザ、滞在時間などが分かります。
訪問者のプライバシーを守る
Matomoは完全な形でビジターのIPアドレスを収集することができますが、情報保護の観点から、この方法はおすすめしません。
『プライバシー』→『データの匿名化』で、IPアドレスは匿名に設定することをおすすめします。
こちらは、ユーザーIPアドレスの下二桁を 0.0 に設定し、匿名性を高めています。
