生きてて、すみません

生きてて、すみません

昔は青年らしい鬱屈の気持ちから「生まれてすみません」と自らを卑しんだものだが、今は長く生きすぎた厄介者の老人が「生きてて、すみません」と頭を下げる時代らしい。

竪穴に暮らしていた頃から、狩りのできぬ者、子の産めぬ者は仲間に蔑まれ、群れの隅に追いやられる……というのはあったかもしれないが、今はそれに輪をかけて、自己の尊厳や生命の保証を傷つけられるから、当時よりたちが悪いのではないかと思ったりもする。若い時分に、なまじ成功体験があれば、尚更だろう。何も悪い事などしてないのに、『生きてて、すみません』と頭を下げなければならない時代は生産する者だけが重んじられ、生産できない者は場を奪われる。国家存続の為にはそれしかないとしても、それが高度に発達した社会の有り様なのだろうか。

そうして、弱い者、非生産的な者から、静かに消えてゆけばいい。

人間を排除する社会の結末は、『そして、誰もいなくなった』。

実際、そうして、滅ぶ。

※『生きてて、すみません』のエピソードは、あるWEB漫画の一節です。でも、どこで目にしたのか、まったく記憶していません。ごめんなさい<(_ _)>

Amazon Kindle 電子書籍

sanmarie*comに掲載していた【「親 死んでほしい」「親 殺したい」で検索する人が多いので】の電子書籍です。心理学者・河合隼雄の名著『家族関係を考える』で紹介された『内面的な親殺し』と、父親殺しを描いたギリシャ悲劇『オイディプス』の物語をベースに、なぜ「親 死ね」「親 殺したい」といった感情が芽生えるのか、乗り越えるには何が必要か、分かりやすく解説しています。
作品詳細と冒頭部の無料サンプルはこちら。https://novella.one/oya-book

Notesカテゴリの最新記事

Top