最適化プラグイン『SEOPress』について
SEO最適化プラグインといえば、最も有名なのが Yoast SEO、次点が All in One SEO Pack 最近では The SEO Framework も人気がありますが、どれも多機能すぎて、個人サイトにはちょっと重く感じることもあると思います。WordPressユーザーも中堅になると惰性でYoastを使い続けている人も少なくないのではないでしょうか。
私もずいぶん長いことYoastを使ってきましたが、最近では、テーマ・テンプレートにデフォルトでSEO対策機能が備わっていたり(タイトルとメタディスクリプション、SNS・OGP設定など)、Yoastもすっかり製品化して、個人サイトには過剰なプラグインになってきたことから、乗り換えることにしました。大規模な商用サイトなど、本格的にSEOに取り組んでいるサイトには便利だと思いますが(特に英語圏)、記事のアナリティクスとか、サジェストキーワードとか、本気でやりだしたらキリがないし、日本語だと上手く機能しない部分も多いので。
そこで導入したのが、SEOPress 。
https://ja.wordpress.org/plugins/wp-seopress/
無料版とPro版がありますが、無料版の機能はYoastの無料版とまったく同じ、むしろ、Yoastより使える機能が若干多いです。また各記事のSEO設定画面も非常にシンプルで、Yoastのようにギラギラと威圧感がありません。
また、Yoast SEO、All in One SEO、 The SEO Frameworkから、タイトルやメタディスクリプションのデータをワンクリックでインポートする機能も備わり、切り替えも簡単です。
そろそろYoastに飽きてきた、もう少しシンプルで、楽に管理できるSEOプラグインに変えたい方におすすめです。
SEOPressの基本設定
無料版の基本の画面。
Yoastと異なるのは、一画面に一覧表示される点。操作がしやすいです。
TITLES & METAS
タイトルとメタディスクリプションの設定。
XML / IMAGE / VIDEO / HTML SITEMAP
XMLサイトマップ & HTMLサイトマップ の生成。
SOCIAL NETWORKS
SNSのディスクリプションや画像設定。
主にTwitterとFacobook。
GOOGLE ANALYTICS
Googleアナリティクスの設定。
ADVANCED
パーマリンクのスラッシュや不要なメタタグの除去、各種ツールの有効・無効など。
TOOLS
設定のエクスポート&インポート、Yoast SEO、All in One SEO、 The SEO Frameworkからのデータ移行。
メニュー構成もYoastに似ています。
TITLES & METAS の設定
投稿タイプ、アーカイブ、タクソノミについて、タイトルとメタディスクリプションの設定ができます。
要領はYoastと全く同じです。
Advanced設定の画面。 noimageindex norachive nosnippet nositelinkssearchbox の有無を操作します。
アーカイブページのトップにnext/prev linkを挿入することもできます。
XML / IMAGE / VIDEO / HTML SITEMAPの設定
XMLサイトマップとHTMLサイトマップが作成できます。
投稿タイプ、カテゴリー、タクソノミについて、サイトマップに含めるか含めないかを個別に調整。
HTMLサイトマップのジェネレータ機能も付いています。
SOCIAL NETWORKSの設定
SNSのアカウントやOpen Graphを操作。主にFacebookとTwitterの設定が可能です。
GOOGLE ANALYTICSの設定
Googleアナリティクスの解析タグの埋め込み、外部リンクやイベントのトラッキング、カテゴリーやタグ、投稿タイプのトラッキングの有無などを細かく設定できます。
SEOPressの画面でフィルタリングできるので、便利ですね。Googleアナリティクスはいまいち使いにくい。
ADVANCEDの設定
投稿やカテゴリーのパーマリンクのスラッシュの有無。
不要なメタタグの除去(Windows Live Writer、shortlink meta tag、RSDメタタグ)
Googleサーチコンソール、Bing、Pinterset、Yandexの認証。
SEOPressの入力ツールについて、投稿画面やタクソノミの編集画面に表示するか否かを細かく設定できます。
TOOLSの設定
設定データのエクスポート&インポート、Yoast SEO、All in One SEO、 The SEO Framework のデータ移行がワンクリックで可能です。
投稿画面のSEOツール
noindex nofollow noodp noimageindex noarchive nosnippet CanonicalURL の設定ができます。
SNSでシェアされた時のタイトルやディスクリプション、画像の設定ができます。
各投稿についてリダイレクションの設定ができます。
同様のSEOメタボックスは、カテゴリーやタグの編集画面にも付属しています。
私は使っていませんが、無料版でも、キーワードやテキスト解析が可能です。Yoastと同じです。
精度は分かりませんが、興味があればお試し下さい。日本語環境では、あまり期待できませんが。
まとめとPro版
私もYoastからSEOPressに移行して一ヶ月ほどですが、機能はYoastとまったく同じ、むしろプラスアルファ、各種設定画面もシンプルで、広告も入らないことから、楽に使えています。(広告が入らないのはプラグイン主のポリシーらしい)
Yoastから移行した場合、サイトマップの構造が変わってしまうのは仕方ないですが、サーチコンソールにもすぐに反映されて、特に問題はありません。
個人サイトで、とりあえず、タイトル、メタディスクリプション、XMLサイトマップ、パーマリンク、index 回りについて、シンプルに対策するだけなら、SEOPressで十分だと思います。
Yoastはギラギラして、プレッシャーに感じる人は、この際、SEOPressに乗り換えてはいかがでしょうか。
ちなみに、メタデータに関しては、Yoastのメタキーなどをそのまま取り込むみたいですね。
もうYoastは必要ないやろ、と、wp_postmetaからYoast絡みのデータを数行削除したら、投稿からもディスクリプションなどが消えてしまったので、メタキーや値をそのまま使うみたいです。
またPro版は無制限に複数サイトで使えて、年額39ドル。1年間無料アップデート&サポート付きです。
ただし、「返金には応じない」「アップデート割引はなし」とのことなので、使用を継続するには毎年39ドルの課金が必要です。
https://www.seopress.org/support/faq/
Pro版には「404モニター&リダイレクト」「リンク切れチェッカー」「バックリンクチェッカー」「htaccess とrobots.txt 編集」「VIDEOサイトマップ」「Google 構造データ」など、ビジネス向きのサービスが付加されます。404モニターやリンク切れチェッカーは便利ですね。
既存のdescriptionsをYoast SEOのメタデータ(スニペット)に移行する
SEO対策として、メタディスクリプションを記述している方も多いと思います。
しかし、プラグインやテーマの変更に伴い、メタデータの移行が必要になることもあります。
phpMyAdmin のSQLを使えば、簡単にデータ移行できます。
この手順は、その他のカスタムフィールドの値を書き換える時も応用できますので、ぜひマスターして下さい。
データベースの wp_postmetaを確認する。
たとえば、テーマ・テンプレートやSEO系プラグインを使って、メタディスクリプションを設定した場合、データは、カスタムフィールドの description に格納されます。
一方、Yoast SEOで作成したディスクリプションは、_yoast_wpseo_metadesc に格納されます。
そこで、phpMyAdmin の SQL を使って、カスタムフィールドの名前を置換すればいいわけですね。
作業に入る前に、自身の wp_postmeta に、どのような形でディスクリプションのデータが格納されているか、データテーブルをダウンロードして確認しましょう。
置換に備えたバックアップも兼ねます。
データベース置換のSQLを実行する
wp_postmetaのデータについて、語句を一括置換する場合、基本のSQLは次の通りです。
1 2 3 4 5 | update wp_postmeta set meta_key = 'new_key_name' where meta_key = 'old_key_name' |
description から _yoast_wpseo_metadesc に、一括変換する場合。
1 2 3 4 5 | update wp_postmeta set meta_key = '_yoast_wpseo_metadesc' where meta_key = 'description' |
実際に、phpMyadmin の SQL の画面。
コピペして、実行します。
置換に成功すれば、これまでカスタムフィールドの description に格納されていたテキストは、全て、 _yoast_wpseo_metadesc に移行します
Yoast から SEOPress にメタデータを移行する
同じ手順で、Yoast から SEO Press にメタデータを移行することもできます。
SEOPressの場合、ディスクリプションは _seopress_titles_descというメタ値に格納されるので、下記のようなSQLを実行すれば、一括で置換できます。
set meta_key = '_seopress_titles_desc'
where meta_key = '_yoast_wpseo_metadesc'
ちなみに、タイトルタグは _seopress_titles_title に格納されています。
その他のメタデータについても、SQLを実行すれば、簡単に置換できるので、SEO系プラグインを入れ替える時の参考にして下さい。
サイトマップのエラーとキャッシュ系プラグインの相性が悪い場合
SEOPressには、検索エンジン対策として、XML形式のサイトマップの自動生成機能が備わっていますが、キャッシュ系プラグインによっては、XMLサイトマップにエラーが生じ、何をどうやっても、Search Consoleに認識されない事があります。
私もキャッシュ系プラグインを変更したのがきっかけで、順調そのものだったXMLサイトマップにエラーが生じ、何度、削除→再登録しても、「ステータス 取得できませんでした」「サイトマップは読み取り可能ですが、エラーがあります」「サイトマップがHTMLページでです」のメッセージが出るようになりました。
そうこうするうち、モバイルユーザビリティの「モバイルフレンドリーページ」がどんどん減少して、表示回数が激減する事態になりました。
史上最悪と言われる、2020年5月のGoogleコアアップデートの影響もありますが、悪い時には、悪いことが重なるものです……。
※ ちなみにサイトマップ修復後、ただちに戻ってきました。
その間、キャッシュをクリアしたり、キャッシュファイルごと消したり、キャッシュ回避のURL設定をしたり、いろいろ試しましたが、一向にエラーは解消せず。
サイトマップ系プラグインの最高峰『Google XML Sitemaps』も試しましたが、それでも駄目だったんですね。
キャッシュ系プラグインの開発元にも問い合わせましたが、「SEOPressに聞いてくれ」という回答で、完全にお手上げ。
いやいや、おたくのキャッシュを使い初めてから、XMLファイルがおかしくなったんだよ……と言いたかったけど、ごちゃごちゃ揉めてもしゃーない。
それで、他のサイトマップ自動生成のプラグインを探していたところ、「Compatible with caching plugins like WP Super Cache, W3 Total Cache and Quick Cache that cache feeds, allowing a faster serving to the impatient (when hungry) spider」が謳い文句の『XML Sitemap & Google News』を試したところ、一発解決。
一晩苦しんだあれは、何だったんだろう、と。
そこで、身も蓋もない話ですが、キャッシュ系プラグインを使用して、XMLサイトマップにエラーが生じた時は、あれこれ設定をいじくるより、サイトマップ系のプラグインを別のものに変更した方が手早いです。
絶対的に『Google XML Sitemaps』でなければならない理由はありませんし、『Google XML Sitemaps』の生成したサイトマップだからといって、上位表示されるわけでもありません。
要はクロールを効率よく呼べたらいいので、下手にこだわらず、相性のいいプラグインに変更することをおすすめします。
エラー後はURL検査とインデックス登録をリクエストする
サイトマップエラーの後、インデックス(カバレッジやモバイルユーザビリティ)が著しく減少した場合は、ただちにURL検査を行い、『URLがGoogleに登録されていません』のメッセージが出た場合は、インデックス登録をリクエストすることをおすすめします。
私も、そこまで気にしなかったのですが、たまたま投稿を全面的にリライトする機会があり、URL検査をしたところ、以前は確かにインデックス登録されて、検索結果にも表示されていた投稿がインデックスから外れているのに気が付きました。
クロールが巡回した日付と、『参照元ページ 検出されませんでした』というメッセージを見る限り、やはりサイトマップエラーで、何日も機能しなかった時に、正規のインデックスから外れてしまったみたいです。
サイト内に、何百と投稿が存在する場合、全てのURLについて検査するのは大変ですが、せめて重要なURLに関しては再検査することをおすすめします。
でないと、再びクロールが巡回して、再登録されるまで、何日も待つことになりますし(当方のケースも、一週間以上、インデックスから外れていて、偶然、URL検査しなければ、再登録まで、もっと長く待機することになったと思います)
あと、SEOプラグインに、カノニカルURLの機能があるなら、絶対的に設定した方がいいです。
コンテンツ整理で、リダイレクトやページ統合をした場合、カノニカルURLの設定がないと、Googleの方が混乱して、重複コンテンツ扱いになったり、最悪、存在しないURLが検索結果に出てくることがありますので。
こんなの↓ (サイトマップエラー、もしくはキャッシュ系で、ヘンなURLが自動生成されたかも・・。原因不明)
サイトマップのエラーとhtaccess記述 リダイレクションの見直し
XMLサイトマップでエラーが出た場合、あるいは、謎のインデックス減少に遭遇した場合。
もう一つ、見直して欲しいのが、.htaccess の記述と、データベースに残っているRedirection関連のデータです。
.htaccessに関しては、テーマ独自のSEO対策、キャッシュ系や圧縮形プラグインを設定する度に、htaccessの記述も書き換わり、場合によっては、そのテーマやプラグインを無効化したにもかかわらず、設定内容がhtaccessに残っていることがあります。データテーブルも同様です。
私も、テーマ独自のSEO設定を無効化し、キャッシュ系プラグインの圧縮のみ有効にしたつもりでしたが、なんと同一のhtaccessに、テーマとキャッシュ系プラグインの設定が並記されていました。テーマ独自の設定をチェックオフして無効にしても、なぜかhtaccessにはブラウザキャッシュに関する記述が残っていたんですね。
こういう現象も、サイト表示には何の問題もありませんが、やはり何かしらの影響は及ぼすと思います。
URLの転送設定=リダイレクションも同様です。
転送設定するのに、サーバー会社の管理画面にいちいちアクセスするのは面倒くさい、といった理由で、Redirection系のプラグインを利用している人も少なくないと思います。
ところが、何かの理由で、別のプラグインに変更した場合、前に使っていたプラグインの情報=URL転送の設定が、そのままデータベースに残っていることがあります。
プラグインを無効化、もしくは削除しておれば、何の障りもないかもしれませんが、古い設定がデータテーブルに残っていると、これも何が原因で悪さをするか分かりません。
なので、「XMLサイトマップのエラーが修正できない、原因も分からない」「インデックスがどんどん減少する」といった現象に遭遇したら、まずは、htaccessの記述が正しいか、データベースに古いURL転送設定が残ってないか、確認しましょう。
特に気を付けて欲しいのが、wp_options と wp_postmeta です。
phpmyadminで、『redirection』もしくは『redirect』といった曖昧検索をすると、案外、古い転送設定の情報が出てくることがあります。
なんで? なんで? と慌てるベテラン・ユーザーに限って、案外、こういう初歩的な部分を見落としていることがありますので、要チェックです。