建築・土木と社会

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生かす創造、壊す創造 環境と建築 安藤忠雄『連戦連敗』

何でも「作ればいい」というものではないと思う。 創造というのは、その名の通り、自分も生かし、周りも生かすことだから、その創作物の為に周りが不幸になったり、百年先まで祟られるなら、それは創造ではなく、破壊だろう。 日本では一口に『つくる』というけれど、英語には、make、create、produce、 […]

公共の芸術としての建築と住民の人間形成 安藤忠雄の『連戦連敗』より

小綺麗な住宅街に行くと、住人もまた洒脱として、上品な暮らしをしていることが多い。 逆に、雑多な町では人の動きも忙しなく、賑やかな反面、不穏なところも少なくない。 瀟洒な町に暮らすから住人も洒脱とするのか、洒脱とした人が集まるから町並みも瀟洒になるのか、因果は分からない。 多分、どちらも本当。 『割れ […]

建築の理想と現実――あるいは自分との闘い 安藤忠雄『連戦連敗』より

理想主義とはかけ離れた、非常にドロドロとした現実的な闘いですが、建築とは本来、社会を相手にしなければならない、きわめて泥臭い部分を内包する仕事です。画家や彫刻家といった芸術家と違い、一人で仕事を完遂し得ないのです。そして、常に、クライアントと施工者という他者を介してしか実現し得ない仕事でもある。さまざまなしがらみの中での闘いなのです。

都市こそ人間の精神の基盤 安藤忠雄の『連戦連敗』より

日本の都市開発の出発点は、拠って立つ理念もなく、目標も曖昧なまま、ただ輸入した形式をそのままなぞることから始めてしまったのです。そこに軋みやズレが生じるのは当然です。役所は今もって、この都市計画法の下でしか都市を考えることができない。一方で、市民側にも都市に対する公的な精神が欠落してしまいますから、個人のエゴがむき出しになり、日本の都市はいまだ誇れる顔をもてないままです。

土木は国家の礎 宮崎学の『談合文化』日本を支えてきたもの

昨今、よくいわれている「モラルの低下」というものだ。それは単に従事者の人間性の問題ではなく、突き詰めれば、『自尊心』にかかわることである。自分がモノみたいに扱われて、どうしてモチベーションが上がるだろう。世間から見下され、金銭的にも、社会的にも、何も得るものがないと思えば、意欲も削がれるし、責任感もなくなる。人間が一本のボトルを締めるのは、「ルールで決まっているから」ではなく、「そこに誇りを感じるから」だ。

コンペで勝てなくてもアイディアは残る(安藤忠雄の『連戦連敗』より)

コンペで勝てなくてもアイデアは残る。実際コンペのときに発見した新たなコンセプトが、その後に別なかたちで立ち上がることもある。 そもそも、実現する当てもないプロジェクトを常日頃から抱え、スタディをくり返し、自分なりの建築を日々模索していくのが建築家だろう。

脅迫などとんでもない 『ブラックジャックによろしく』にはめてみた

あなたの友人だって、わたしに同じ事をしたではないですか。公衆の面前でわたしの作品をけなし、利欲の権化のように批判した。わたしの作品にも哲学はあります。田舎の価値観と相容れないだけで、わたしにもわたしなりの公共心があり、芸術への献身があります。

運命のプレゼンテーション 価値ある仕事と社会の礎

人と社会にとって一番大切なのは『伝えること』です。気持ちも、アイデアも、相手に伝えないことには始まりません。 一方、『伝えること』には、常にリスクも伴います。無視、誤解、反発といった、ネガティブな反応です。 だからといって、伝えなければ、誰にも理解されません。何も言わずにおれば、安全圏にいられるかも […]

二つの海洋都市と庶民の不安 全ての人に分かりやすく

どんな素晴らしいコンセプトも、大勢に伝わらなければ意味がありません。創作する側は、得てして自分の価値観に囚われがちですが、時には、分からない側の視点から、それでいいのか、欠けているものは何か、見つめ直すことも大切です。 ここでは『パラディオン』という巨大海上施設の建設に不安を感じる大多数と、それを推 […]

今異議を唱えるか、永久に口をつぐむか 苗木の死は森の死

社会が正常に機能して、発展するには、二つの要素が不可欠です。一つは、不正の指摘が許されること。もう一つは、大衆に不正を不正と感じる規範があることです。不正を指摘しただけで投獄されるような社会では、到底、自由公正はのぞめませんし、大衆に不正を不正と感じる規範がなければ、政治も経済もまともに機能しません […]

民意か、自己表現か:公共の芸術としての建築

『安藤忠雄の連戦連敗』でも書いているように、建築は公共性の強い芸術であり、絵や音楽と違って、自分の好きなように作ればいい……というものではありません。一つ一つに巨額の建設費や維持費がかかりますし、一度作ってしまったものは、そう簡単に修正したり、取り壊せないからです。 本作では、デフォルメされたキャラ […]

デザインとは精神の具象 アイデアの対極は『無』

建築と社会とCivilizasion 人工島の海洋都市と社会の未来図にも書いていますが、この世に現れる、ありとあらゆる形には、その源泉となる”精神”があります。精神の中には、知識、センス、感性、経験なども含まれます。 スプーンでも、階段でも、車でも、キャンパスに形を描く時、デザイナーは、誰がどんな風 […]

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