去年の汽車に ことしのおいらが乗るってことはできないだろう

去年の汽車に ことしのおいらが乗るってことはできないだろう

子供
だけど待ってたって永久に汽車にのれないって知らなかったんだ、ねえ張さん、去年の汽車は、今、すぐそこをでも走ってるよ
ちっとも見えないじゃないか
子供
目がわるいからだ。去年の汽車は、こんな夜でもすごい轟音でおれたちの目の前を走っている。ゴオゴオってすごい音をたててね。……ただいくら走っても走っても去年の汽車にことしのおいらが乗るってことはできないだろう。

戯曲 毛皮のマリー・血は立ったまま眠っている (角川文庫)

時は足早に過ぎ去る。

自分は何も変わらないのに、世界の物事は物凄い勢いで傍らを走り去っていく。

過ぎ去ったものに、憧れても、悔やんでも、どうすることもできない。

それを諦念とするか、後悔のままとどめ置くかはその人次第。

ただ一つ、確かなのは、去年の汽車に今年のあなたが乗ることはできない、ということ。

Amazon Kindle 電子書籍

sanmarie*comに掲載していた【「親 死んでほしい」「親 殺したい」で検索する人が多いので】の電子書籍です。心理学者・河合隼雄の名著『家族関係を考える』で紹介された『内面的な親殺し』と、父親殺しを描いたギリシャ悲劇『オイディプス』の物語をベースに、なぜ「親 死ね」「親 殺したい」といった感情が芽生えるのか、乗り越えるには何が必要か、分かりやすく解説しています。
作品詳細と冒頭部の無料サンプルはこちら。https://novella.one/oya-book

寺山修司カテゴリの最新記事

Top