かなしくなったときは 海を見にゆく

かなしくなったときは 海を見にゆく

かなしくなったときは

かなしくなったときは 海を見にゆく
古本屋のかえりも 海を見にゆく

あなたが病気なら 海を見にゆく
こころ貧しい朝も 海を見にゆく

ああ 海よ
大きな肩とひろい胸よ

どんなつらい朝も どんなむごい夜も
いつかは終わる

人生はいつか終わるが
海だけは終わらないのだ

かなしくなったときは 海を見にゆく

一人ぼっちの夜も 海を見にゆく

寺山修司少女詩集 (角川文庫)

どうやっても不器用な人間がいる。

ああしなさい、こうしなさい、頭では分かっていても、どうしても、そうできない人たちだ。

そういう人にとって、心の拠り所は何だろう。

どこかに救いはあるのだろうか。

そんな時、私たちの足は自然に海に向く。

果てしない広がり。

規則的な波の音。

昔そこに住んでいた記憶が

安らかだった時代を思い出させてくれるからだろう。

何の悩みもなく、痛みもなく、

まだ魂しか持たなかった頃

海の揺りかごに包まれた

優しい時間を。

そして、いつかはそこに帰って行ける。

一つの海に繋がれたように。

私たちは、あの果てしない水の向こうで生まれ、

ほんの一時

この世を体験するに過ぎないのだ。

どんな詩人が
自分の書いた海で
泳ぐことができるというのだろう

Amazon Kindle 電子書籍

sanmarie*comに掲載していた【「親 死んでほしい」「親 殺したい」で検索する人が多いので】の電子書籍です。心理学者・河合隼雄の名著『家族関係を考える』で紹介された『内面的な親殺し』と、父親殺しを描いたギリシャ悲劇『オイディプス』の物語をベースに、なぜ「親 死ね」「親 殺したい」といった感情が芽生えるのか、乗り越えるには何が必要か、分かりやすく解説しています。
作品詳細と冒頭部の無料サンプルはこちら。https://novella.one/oya-book

寺山修司カテゴリの最新記事

Top