バックアップ・ファイルをそのまま保存すべき理由
WordPressのバックアップ用プラグインも、様々な種類がありますが、おすすめは、データベース、wp-uploadsのメディアファイルなど、サーバー上のファイルをそのまま保存するタイプのもの。
私が愛用しているのは、UpdraftPlus WordPress Backup Pluginです。

逆に、避けた方がいいのは、プラグイン独自のバックアップ・ファイルを作成するもの。
代表例が、All-in-One WP Migration。

これもワンクリックで、バックアップ→移行ができて、非常に便利なのですが、プラグイン独自のバックアップファイル(独自の拡張子 .apm など)を作成する為、「wp-uploadsフォルダの中から、2017年2月にアップロードした、 kitty.jpg の画像だけダウンロードしたい」という場合、バックアップファイルの解凍も、中身の参照もできない為、非常に不便です。
また、何かの原因でプラグインが動作しなくなった場合、バックアップファイルから復元しようにも、プラグインそのものが働かないため、復元できなくなってしまいます。
バックアップファイル、そのものが破損する恐れもあります。
その点、UpdraftPlus Backup/Restoreは、データベースのSQLファイルをはじめ、サーバー上のファイルを丸ごと圧縮して保存してくれるので(ZIPファイル)、万一、プラグインが動作しなくても、サーバーから圧縮フォルダという形でダウンロードすることができます。
また、バックアップ・ファイルの保存場所も、Google Drive、OneDrive Drop Box、メールなど、様々なオプションがあるので、オンラインストレージ派には使い勝手がいいです。(サーバーからFTPで圧縮フォルダをダウンロードする場合、容量が大きいと時間がかかるが、オンラインストレージならかなり速い)
ただ、オンラインストレージに関しては、Google Drive以外は有料オプションになる為、どうしても無料で済ませたい人には、Google Driveの一択になります。
それでも、自身のサーバー保存(FTP経由)でも十分に便利なので、安全、かつ分かりやすいバックアップ・プラグインをお求めの方は、ぜひ試してみて下さい。
UpdraftPlus WordPress Backup Pluginのメイン設定
主な設定は次の通りです。
1) バックアップスケジュール
2) バックアップファイルの保存先
無料で使えるのは、FTP、Google Drive、メールのみです。
その他は有料オプションになります。
3) FTPの設定
UpdraftPlus のFTP設定は、少しクセがあって、「FTPサーバー」に、サーバー会社指定のサーバー名を入力しても、ちゃんとログインできないことがあります。
その場合は、下記を参照して下さい。
私もこちらの記事の指示通り、○○.xsrv.jp:10021に設定したら、上手くいきました。
○○は、自分に割り当てられた、サーバー名です。管理パネルにログインする時の名称です。
UpdraftPlusのFTP設定で失敗と出る時の対処法(ポート設定で上手くいく!)
あとは、自身のFTPのユーザー名、パスワード、サーバー上のフォルダ名を入力します。
それでも上手くログインできない時は、スラッシュ / を入れてみて下さい。
私は無しで接続できました。
このあたりも、環境によって、ちょっとあやふやです。
サーバー上に保存されたバックアップ・ファイル。すべて圧縮形式なので、中身を参照したい場合は、FTPでローカルにダウンロードし、解凍すればOK。
『FTP設定テスト』に成功すればOKメッセージが表示されます。
FTPを用いたバックアップの手順
『バックアップ / 復元』 で、「今すぐバックアップ」 をクリック。
「バックアップするファイル」を選択します。
(...)をクリックすると、詳細が開きます。
バックアップが始まると、次のような表示が現れるので、そのまま待ちます。
ブラウザを閉じたり、タブをリロードしたり、管理画面を切り替えたりしないこと。
エラーの原因になります。
サイト規模が大きいと、けっこう時間がかかります。
バックアップされたファイルは、下図のようにサーバーのバックアップフォルダに格納されます。
バックアップの状態は、管理画面に下図のように表示されます。
必要に応じて、復元、削除、ログ表示をクリックします。
ここは本当にワンクリックで復元できるので、便利です。
ちなみに、エックスサーバーなど、サーバー会社が提供する自動バックアップと異なるのは、「一日一回、午前零時に」ではなく、「自分の必要な時に、随時、手動でバックアップできること」「バックアップするファイルを選択できる」ことです。
一日、二回でも、三回でも、好きなだけバックアップができるので、大掛かりなカスタマイズが必要な方には重宝すると思います。
ちゃんとバックアップされたか、Eメールで確認したい場合は、「基本的なレポートを送信するために」をオンにします。
Google Driveへのバックアップ
無料版の場合、条件付きでGoogle Driveへの自動バックアップが可能です。
制限事項は「フォルダ名を変更できない」「バックアップ時間を指定できない」です。
その他の機能は有料版と同じです。
ただし、Google Driveの容量不足にはご注意下さい。
バックアップの保持数を増やすと、あっという間にストレージ容量が圧迫されて、エラーの原因になります。
Google Driveの保存を有効にする場合は、アイコンをクリックして、『認証を許可しますか』のダイアローグに従い、『OK』すれば完了します。
PCやスマホでGoogle Driveの同期アプリを使っている場合は、フォルダ単位の『同期のオン/オフ』を忘れずに。
でないと、バックアップファイルがどんどんダウンロードされて、デバイスが大変なことになります。
プレミアム版 / 拡張機能について
UpdraftPlus WordPress Backup Pluginには、有償のプレミアム版(オールインワン)の他に、必要な拡張機能だけ購入できる、単一プランの二種類があります。
ショップのURLはこちら。
プラン別の料金体系。
全ての機能が含まれて、年額、86ドルから。継続利用では40パーセントのディスカウントがあります。
全機能を必要ない方には、有料アドオンがおすすめ。
私は、サイト移行アドオン「Migrator」が重宝しました。
サイト規模が大きくて、どうしても新規ドメインへの移行が上手くいかない人は、一回だけ、購入するのもいいかも、です。
Migrator には、サイトのクローンを作成する機能と、別ドメイン間でサイト移行のできる機能が付いています。
別ドメインに、テストサイトなどを作っている人は、重宝しますよね。WordPressのデフォルトのインポート機能はヘタレなので。
ちなみに、Updraftシリーズは、高速化を兼ねたオプティマイズ・プラグインも速くて、使いやすいです。興味のある方はぜひ。

終わりに
プラグインにお金をかけたくない人の気持ちはよく分かります。
バックアップはもちろん、ビューア、管理パネル、スライド、等々。
無料で済ませたいですよね。
でも、バックアップに関しては、本気でサイト運営するなら、(必要に応じて)お金をかけた方がいいです。
IT(それ)は、いつやって来るか、分からないからです。
そして、ITに遭遇したら、よほどPHPやデータベース関連に精通した人でないと、自分では復旧できません。
サーバー会社に連絡すれば、すぐに対応してくれるでしょうけど、月額500円クラスのサーバーはそこまで対応しませんし(私はこれでwp-uploadsのファイルを全て喪失したことがあります。FTPのクリック・ミスが原因)、自動バックアップでカバーできない部分は、エックスサーバー系でも別途料金が必要なんですね。30日以内なら4000円~7000円ですが、それ以上さかのぼると、3万5千円 プラスアルファ です。
それを考えれば、商用サイトなら、バックアップ系の有料プラグインは払うだけの価値があるのではないかと思います。
そして、より安全性、利便性を考慮するなら、データベース、メディアファイルなど、何もかも、ひとまとめにして、プラグイン独自のファイル作成するオールインワン型より、ファイルをそのまま保存するUpdraftの方が安心かと。
もちろん、無料でも、安心して使えるプラグインなので、興味のある方はぜひ試してみて下さい。